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専有部分で学習塾を行うことは、管理規約違反ですか。

質問: 10人程度の少人数で学習塾をやっております。近隣に迷惑となるような行為もなく今まで

   続けてきましたが、突然理事長から「専有部分は住宅以外の用途に使用してはならない」とい

   う管理規約に違反しているため、直ちに止めるよう言われました。本当に管理規約違反になる

   のでしょうか。

 

回答: どちらの主張が正しいかを最終的に判断するのは、当然、裁判所ということになりますが、

   一般的な判断要素としては次のように考えられます。

    規約には「専有部分は住居以外の他の用途に使用してはならない」と書いてある場合にも、

   その判断要素は個々の状況によって変わってきます。

    例えば、賃貸物件をいくつか持っている区分所有者が、賃貸経営に係わる事務を自宅で行っ

   ていれば、そこは事務所ともいえます。また、自宅でインターネットを利用して仕事をしてい

   たり、内職作業をしている場合、そこは事務所又は作業所とみることもできます。

    しかし、本規約の趣旨は、建物の保存に有害な行為や建物の管理に関し共同の利益に反する

   行為を禁止することが趣旨と考えられますので、こうした観点から考えると、例えば「玄関な

   どに大きな看板を掲げている。」「多数の人が出入し防犯上好ましくない。」「出入りする人

   の自転車が放置されている。」「大きな音を出している。」などの具体的な事案がなければ、

   共同の利益に反するとみなされる可能性は少ないと考えます。

    また、長年に亘り、こうした使用を続けていた場合は、その間は管理組合も了承していたこ

   とになりますので、そのことも考慮すべきだと考えます。

 

 

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